コスパ重視!!写真編集(RAW現像)パソコンを組む – 自作PCパーツを選ぶ –

みなさんがお使いのデジタルカメラの画素数は多いですか?それとも少なめですか?

管理人が最初に購入したデジタル一眼レフカメラ(メイン機)のNikon D3sは1,210万画素。それまで写真編集兼日常使用のパソコン(自作PC)でのRAW現像では特段の不満はありませんでしたが、2020年に新しく購入したNikon D5は2,082万画素、D3sに対しては高画素化し、Lightroomを使ったRAW現像ではディスプレイに画像が表示されるまでにやや時間がかかるようになり だんだんとストレスを感じるようになってきました。


そこで、自作PCのシステムはそのままに CPUのみグレードアップ&オーバークロックにより、多少の改善は見られましたがLightroom自身がGPUへの依存度が上がってきたことで、現システム(グラフィックボードはGeForce 9600GT)では限界を感じてきました。また、これまでWindows7をオフラインで使用していましたが、Lightroomの対象OSからWindows7が除外され、アップデートすらできなくなってしまいました。
そんなこんなで、そろそろ写真編集(RAW現像)パソコンを新調するタイミングと感じ、今回 新たに自作PCパーツを集めて写真編集(RAW現像)パソコンを組む運びになりました。

CPUは最新世代か?旧世代か?

前置きが長くなりましたが、自作PCを組むにあたってまず思い当たるところが最新世代のCPUとするか、旧世代のCPUとするか…。
現在 使用中の自作PCはIntel 第2世代のSandy Bridge、Core i7 2700K(4コア8スレッド,  3.5GHz)、OSはWindows7のオフライン環境。Nikon D4が発売された2012年、旧モデルとなったD3sとD4 どちらを購入するか悩んだ末 旧モデルのNikon D3sを新古で購入、フィルム→デジタル化にあわせてRAW現像用としてパソコンを自作で組み立てましたが、早くも9年が経ちました。

2021年時点の最新世代のIntel CPUは第11世代、ただ予算を考えると軽く10万円は超えることが容易に想像がつきます。予算が許せば最新世代一択ですが、今回は下記理由により旧世代のパーツを中心に中古で揃え、コスパ重視としながら写真編集(RAW現像)メイン機として組み立てる方針としました。

<<旧世代パーツをチョイスとした理由>>
・所有するONKYOのサウンドボード(SE-200PCI Limited)を継続使用するため、PCIスロットを搭載したマザーボードとしたい
・手持ちのPT2も使用できる環境としておきたい(こちらもやはりPCIスロット)
・PCIスロット搭載モデルは必然的に旧世代マザーボードとなるが、アプリケーション動作の高速化のためにPCI-Express拡張ボード+M.2 SSD(NVMe)でプライマリ起動で運用したい
旧世代M.2 SSD(MVNe)+Windows7でクリーンインストールできる環境としたい(最終的にはUpgradeでWindows10化)
・高画素データ転送速度アップのためにはUSB3.0は必須   などなど

コスパを重視!!Be-style管理人が考えたRAW現像用パソコン システム構成はコレ♪

では、そこそこ時間をかけて考え、最終的に決めたRAW現像用パソコンのシステム構成をご紹介します。

  CPU :Intel Core i7 3770K (Ivy Bridge  4コア8スレッド,  3.5GHz)

上記のようないくつかの理由のうち、Windows7が扱えるIntel Coreシリーズは第7世代以前、つまり第6世代よりも前のものになり、選択肢も限られてきます。これまで、第2世代のSandy Bridgeになんとなく親しみがあるというか、故障もなく今も現役でつかえているといった親近感もあり、かつオーバークロック前提とすれば第6世代に程近いレベルに迫る性能が出せると踏み、第2世代とCPUソケットが共通である第3世代のIvy Bridgeをチョイス。クロックはもちろん当時の最上位のCore i7 3770K (4コア8スレッド, 3.5GHz)。

入手はもちろん中古で、メルカリで購入。価格は9,000円也。発売当時の税込み価格をwebで調べてみると29,980円。こう比較してみると、当時のCPUは安かったんだなぁと(逆に今のCPUがとても高く感じるのは私だけ?)

 Motherboard :ASUS P8Z77-V PRO

かなり前になりますが、初めてパソコンを自作したときに購入したマザーボードが突然うんともすんとも言わなくなり起動不動となってしまった出来事があり、そのとき新たに購入したのがASUS製マザーボード。ASUS製に変更して以来、一度も起動不能や故障もなく使えている経験から、”マザーボードはASUS製”と絶大の信頼を寄せている。よって、今回チョイスするマザーボードも当然 迷うことなくASUS製。P8Z77シリーズは無印・Pro・Deluxeといったようにいくつもの種類があるが、オーバークロック前提であることやPCIスロット搭載が必須、といった理由から”P8Z77-V PRO”の一択。

こちらも中古で入手、購入はヤフオク。当初はセットになっていた16GBメモリ2枚を使用する予定としていましたが、各種パーツを集めている最中 メルカリで現在ではなかなか手に入らなそうなメモリセットを見つけ即購入(メモリーは後程ご紹介)。マザーボードはできることなら新品購入したいところですが、さすがに新品は見つけるのは非常に困難。ヤフオクやメルカリで程度のよさそうなものが出品されるまでしばらく待った末、購入に至りました。

 Memory : CORSAIR  DOMINATOR GT 32GB(8GB×4) 1866MHz [CMT32GX3M4X1866C9]

メルカリでたまたま見つけた立派なヒートシンクを搭載したメモリーがこちら。CORSAIRのDOMINATOR GT 32GB 1866MHz。P8Z77-V PROの推奨メモリーとして掲載されているモデル。当時の価格が気になるところですが、なにぶん約10年前の製品となるため、ネットで見つけられませんでした。見た目は立派でなんとなく信頼できそうな感じがしたので、即購入。
購入価格は32GB(8GBx4) 2セットの出品で20,000円也。オーバークロックにも対応。

 PC電源 : Seasonic 750W  SSR-750PX (80Plus PLUTINUM)

こちらは旧モデルとなった80Plus PLUTINUMクラスの750W電源、Seasonic SSR-750PX。現在使用中のPCの電源は550W、特段の問題はないのですが、オーバークロック前提かつ搭載するグラフィックボードによって消費電力も変動があると考え、余裕を持たせた電源をチョイス。電源については、初めて自作パソコンを組み立てて数年後に電源の故障で起動できないことを経験していたため、中古ではなく、迷わず新品を購入。
こちらは旧モデルのアウトレット品のため、店頭価格は750Wで税込み16,800円。そして、さらに期間限定で25%オフということで、税込み12,600円也。プラチナクラスの750Wでこの価格は超破格値!!

 Graphicboard: NVIDIA Quadro M4000

今回のRAW現像用PCを組み立てるにあたって一番悩んだアイテムがこのグラフィックボードの選択です。現在使用しているモニターはEIZO FlexScanシリーズでAdobe RGBも表示可能なモデルで、DisplayPort対応かつRGB各色10bit入力対応。10bit出力可能なQuadroシリーズとするか、ゲーミングなど一般ユースのGeForceとするか。。。
かなり考えましたが、今回はRAW現像用の自作パソコンということで、ディスプレイの表示色の豊かさを優先し NVIDIA Quadroシリーズを選択することにしました。

Quadroシリーズに決まれば、あとはどのモデルにするかですが、Quadroはやや専門的というかグラフィカルな用途であまり一般的ではないことで、価格が高めであることや現行モデルとするか、旧モデルとするかでまたここでしばらく悩みました。
当初は価格と性能のバランスで”Quadro P2000”が有力候補になっていましたが、上記のとおりCPUやマザーボードなど旧世代品揃いなため そこまで現行モデルにこだわる必要もないように思えてきたため、ここでも旧モデルとなったMシリーズにすることに。

上表の要素で比較検討し、価格とメモリー容量・プロセッサからM2000かM4000のどちらかに絞られ、最終的にはハイエンドモデルに相当するM4000をチョイス。価格はヤフオクで24,800円也。

当時の新品定価:16万円、旧モデルながらハイエンドモデルが中古ならこの価格で購入できるので、やはり魅力的ですね。

 

 Storage: PLEXTOR M8Pe PX-512M8PeG-08

OS(Windows10 Pro)をインストールするストレージはできるだけ高速アクセス可能なドライブにしたいところ。Z77世代のマザーボードとなればSSDを選択するところですが、ここはひと手間加えてさらなる高速化を狙い、M.2規格のSSDを導入。(現在使用中のPCもこのM.2規格SSDを導入中。PCI-Expressの拡張ボードとの組み合わせで使用します。)
最新のM.2 SSDと旧世代のマザーボードだと起動ドライブとしてBIOSが認識しないなどのWeb情報もあり、ここでも旧世代のStorageを揃える必要がありました。そのなかから、このPLEXTOR M8シリーズを探していたところ、これまたフリマアプリで偶然求めていたズバリのものを見つけ、即購入。512GBモデルで8,000円也。このモデルはWindows7のクリーンインストールも可能なため、”まさにこれを探していた!!”と言ってもいいくらいの一品です。


ちなみに、発売当初(2016.8)は定価:38,800円(税込み)、2021年時点ですと500GBで8000~15,000円台。アクセススピードも速くなり、かつ価格もお手頃。
最新のマザーボードであればM2規格SSDのソケットも用意されていたりしますので、上記のような悩みは必要ないかと思います、たぶん。

 拡張ボード: Ainex AIF-06A

M2規格SSDのソケットが搭載されていないマザーボードにPCI Express接続の拡張ボードでM2 SSDを搭載できるアイテムです。こちらも旧製品にはなりますが、SATAとPCI Express接続のM.2 SSDスロットを各1基搭載したPCI Expressカードになります。

2021年現在の後継モデルは、AIF-09 として発売されています。拡張ボードは1,000円台で購入できます。M2 SSDとセットで購入してもそこまでの大きな出費にはなりませんので、気軽にデータアクセスの高速化が狙えるアイテムです。

アイネックス M.2 NVMe / SATA M.2 SSD変換 PCI-Expressカード AIF-09

M.2 NVMeとSATAカードのM.2 SSDスロットを各1基搭載したPCI Expressカード。(左画像クリックで楽天市場で購入できます)
ー2スロット同時に使用可能 (NVMe SSDとSATA SSDを1個ずつ)
ーフルハイト用とロープロファイル用のブラケットを付属
【ご注意】本製品は汎用品のため 全ての組み合わせにおいての動作保証はありません。

 PCケース: Fractal Design  Define R5

PCケースも頻繁には変えられないので、新たに新調するにあたり悩んだアイテムです。PCケース選択にあたっては、Be-style管理人としては静音性と冷却性能のプライオリティが高いですが、BD/DVDドライブを装着できる5インチベイを備えていることも条件でした。
ここ最近ではUSBやSDカードなどのストレージでほぼやりたいことがまかなえてしまうため、BD/DVDドライブすら装着できないPCケースも増えてきていますし、1台した搭載できないモデルが多数です。管理人としては、ドライブベイは2台が必須条件にもなっていたため、PCケース選びもそれなりに時間がかかりました。
そんな中 選んだPCケースはFractal DesignのDefine R5になります。(マザーボードの後ろの黒いのがDefine R5)

R5の後継モデルとして登場したR6が新しいモデルですが、こちらはドライブが1台しか搭載できません。R5ですと2台のドライブが搭載できますので、またしても上記要求を満たすには旧モデルを選択することになります。
Define R5はまたしてもたまたまフリマアプリで見つけ、こちらも即購入。送料込みで5,800円、前オーナーは綺麗に使われていて、付属品もすべてそろっており、満足度の高いお買い物になりました。

 CPUクーラー: SCYTHE(サイズ)  虎徹 MarkⅡ [SCKTT-2000]

メルカリで購入したCPU i7 3770Kには純正のリテールCPUクーラーが同梱されていましたが、今回組むパソコンはCPUをオーバークロックする前提としていますので、冷却性能も考慮したものをチョイスします。CPUクーラーひとつとってもさまざまなメーカー・種類がありますが、ウェブサイトでも性能と価格がベストバランスのこちらにしました。

SCYTHE 虎徹 MarkⅡはIntel/AMDソケット両対応、IntelCPUにおいては今回チョイスしている第3世代(LGA1155)も含めて幅広く対応しています。AmazonのCPUクーラー部門では”ベストセラー1位”、1,700件以上の評価コメントもついており、このクーラーを選んでおけば間違いなし!!

Scythe 虎徹 MarkII (SCKTT-2000) CPUクーラー

ー全高154mm設計、取り扱い易さと多くのPCケースとの互換性を向上、Intel/AMDソケット対応
ー放熱フィンとファンマウントの位置をやや後方に配置することにより、ファンとメモリの物理的干渉を解消
(左画像クリックで楽天市場で購入できます)

 CPUグリス:Kryonaut 高性能熱伝導グリス 1g  TG-K-001-RS

ラストはCPUクーラー装着時に使用するCPUグリス。オーバークロック用に設計された高性能熱伝導グリスをチョイスしました。定格クロック使用であればここまでの性能は必要ないかもしれないですが、こちらのグリスはなんと1,000円もしないんです。(もっと高価だと思っていたので、ちょっとびっくり)。定格クロック使用のみならず、オーバークロック前提でも使える1品です。

Kryonaut オーバークロック用 高性能熱伝導グリス 1g  TG-K-001-RS

熱伝導率:12.5W/m・k 粘度:120~170pas 耐熱温度:-250℃~350℃
グリスを塗布するのに便利な特製へら付属
(左画像クリックで楽天市場で購入できます)

集めた自作PCパーツのトータル費用はいくらになった??

さて、管理人がセレクトした自作パソコンパーツをご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。気になるのは「これらのPCパーツのトータル費用がいくらになったのか? 」ですね。というわけで、実際に購入したパーツとその金額(税込み)を一覧にしてまとめてみたのがコチラ。

CPU   ¥  9,000  Intel  Core i7 3770K
MB       ¥  7,100  ASUS   P8Z77-V PRO
メモリ  ¥10,000  CORSAIR  DDR3 PC3-15000 32GB(8GB×4) 
電源     ¥12,600  Seasonic SSR-750PX
グラボ    ¥24,100  NVIDIA Quadro M4000
SSD   ¥ 8,000  PLEXTOR NVMe SSD PX-512M8Pe
     ¥ 2,200  Ainex AIF-06A
PCケース  ¥ 5,800  Fractal Design  Define R5
CPUクーラー ¥ 3,880  SCYTHE 虎徹 MarkⅡ SCKTT-2000   

Total  ¥ 82,680

上記以外のDVDドライブ本体や写真データ格納用HDDは旧PCから移植しています。また、OSはこれまで使用していたWindows7からWindows10にアップグレードしています。
もしこれらのお手持ちがなければ、OSとHDDの費用を上乗せすると10万円くらいになりますね。

今回はAdobe Lightroom Classic使用時にある程度描画能力が必要なグラフィックボードのチョイスに重点を置き、CPUはオーバークロックを前提とするため、電源はプラチナグレードをチョイス、OSやソフトウェアなどのドライブはNVMe(M.2 SSD)とすることで、

 ・アプリケーションアクセスの高速化
 ・余裕を持たせたグラフィック性能と十分な電源ソースの確保
 ・Quadroシリーズを選択することによる10bitカラー編集環境の構築

をコストパフォーマンスとの両立を考えたチョイスとしました。ほぼほぼ各パーツも入れ替え、PCケースも新調していますので1から自作PCを組み立てているイメージになりましたが、10万円以内には収まりましたの想定範囲内かなというところです。
ちなみに、NVIDIA Quadro M4000の発売当時の希望小売価格はなんと 179,390円 !! (ヨドバシ.comより)
比較になるかどうかはさておき、Quadro M4000 の発売当時価格以下のコストでQuadro M4000を含むパソコン1台分の費用を賄えていると思えば、コストパフォーマンスはよいほうではないかと(^^♪

これから写真データでRAW現像を始めようとお考えの方や、高画素データ処理速度が気になる方はお見えでしたら、こちらの記事が参考になれば幸いです。

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